Vol.14 (2011年4月)
田中 優 さん (未来バンク事業組合理事長)
「私とエコロジー」
中学生のころ、自転車にたくさんの照明をつけてみた。デコトラではなくデコチャリだ。ところがダイナモがすぐに壊れた。「こんなにつけたら壊れるに決まってるだろ」と自転車屋に怒られた。発電機は負荷に合わせなくちゃいけないのだそうだ。
自転車で発電するのは大変だ。大汗かいて、やっとちょっとだけ発電する。太陽光発電の偉大さがわかる。でもあえて人力でやってみる。すると電気のありがたみと同時に、ローテクでも電気が作れることに気づく。ゲームで遊びたければその分チャリンコを漕ぎ、携帯を使いたければその分漕ぎ、テレビを見たければ…、となったら楽しいだろう。
そもそも身の丈の範囲で暮らしたい。巨大なシステムとブラックボックスの社会はつまらない。エコロジーは、自分の身の丈の範囲で暮らすことではないか。ばかみたいに汗かいてするエコロジーは、言葉でなく実態になる。私には、そのほうが楽しいのだ。
■田中 優 プロフィール
1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」理事長、「日本国際ボランティアセンター」、「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。著書(共著含む)は『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『Eco・エコ省エネゲーム』など他多数。
・未来バンク事業組合 http://www.geocities.jp/mirai_bank/
・田中優の'持続する志' http://tanakayu.blogspot.com/ |
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