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私とエコロジー
Vol.16 (2012年4月)
反町 眞理子 さん (在フィリピン環境NGO「Cordillera Green Network」代表)

「先住民族とエコロジー」

 「世界の未来は先住民族の手の中にあるのだ!」
 私が環境NGOをやっているのは、フィリピンのルソン島北部の先住民族が暮らす山岳地方。ハゲ山に植林したり、有機農法を教えたりしているが、もっとも大事にしているのが環境教育。電気や道路がなくてパソコンはもとよりテレビも新聞もない先住民の村では、世界中で取り沙汰されている環境問題の情報なんてまったく届いていない。だいたい届いたって、遠い世界の話で「関係ない」って思うだろう。町に住んでいる人だって「山の中に暮らしている先住民族に環境問題をわざわざ教える必要あるの?」って思う人がほとんどに違いない。
 環境教育なんていうと堅苦しいけど、私たちが教えているのはつまりは「世界はみんなつながっている!」ということ。「山の上の方で木を切ったら、大雨の時に下のほうに土砂が流れていって、土砂崩れで人が亡くなったり、畑が埋もれてしまうことがあるんですよ」とか、「たくさん毒性の強い農薬を使うとそれが川の水を汚染して、そこの魚を獲って食べているあなたの体の中に入って病気になることがあるんですよ」とか。
 山奥の小さな先住民族の村で暮らす人々は自然や神や精霊とつながって暮らしてきたのだが、彼らの歴史のなかではごく最近暮らしの中に登場してきた「町」や「人工的なモノ」や「経済」とのつながり方が良くわからない。だから、突然、森林に火をつけたり、大量の農薬を使ったりという横暴な方法で、自然と対抗する傲慢な行動に出たりする。私たちが「環境教育」なんてかしこまって彼らに教えているのは実のところ、「昔の人がやってきたことを思い出してくださいね」「あなたたちが伝えてきた文化は決して遅れているのではなくて、誇るべきものなんですよ」ということだけなのだ。
 世界地図を改めてみてみると、世界に残された森林や鉱物などの残り少ない資源を持つ地域の多くに暮らすのが先住民族であることに気づくだろう。先進国・日本に暮らす人々の未来も、実は先住民族が握っている。今こそ、地球の未来のために先住民族の自然や精霊と生きる伝統と文化に学ぶときではないだろうか?

■在フィリピン環境NGO「Cordillera Green Network」
http://cordillera-green.net
http://cordillera.exblog.jp
[郵便の宛先] P.O.BOX 540, Baguio City,2600,Philippines
[オフィス住所] #14 General Lim St. Baguio City,Philippines

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